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2024年5月21日、大阪府警は、700億円の犯罪収益をマネーロンダリング(資金洗浄)したとされる組織の幹部らを逮捕しました。この事件では約4000の法人口座が悪用されたことが判明しています。
なぜ、犯罪組織はそれだけの法人口座を開設できたのかというと、「法人口座を解説するための指南書」があり、その指南書通り金融機関に対峙することで金融機関は簡単にだまされたからです。
この事件を受け、今後、法人口座開設は今までよりも厳格になることが予想されます。
1.今までの法人口座開設の際の金融機関の調査方法
法人口座を開設する際、金融機関は申請している法人の名称や本店の所在地、取引目的、事業内容、実質的支配者を確認するように義務づけられています。
それだけでなく多くの金融機関は、その法人を訪問し対面調査やホームページの内容の吟味等を行い、「事業実態があるかどうか」を確認しています。
そこで「事業実態がある」と明確に把握できた場合にのみ、口座開設を行ってきました。
しかし、その死角を突くような「指南書」のせいで、口座開設審査はさらに厳格化され、よほどのことがない限り法人口座の開設は認めない方向に進む可能性は高いでしょう。
しかしもちろん、まっとうな事業者が、まっとうに口座を開設する方法はあります。
2.口座を開設している金融機関との取引が長年継続している地元の個人が、地元で法人を設立する
金融機関のテリトリーに長年居住していて、当該金融機関で継続的な取引を行っている個人が、自宅近くで法人を設立する場合は、実態把握がしやすいため比較的法人口座を作りやすくなるでしょう。
ただし普通預金での継続取引は金融機関にとって実態把握が難しいため、定期預金や定期積金等の定期性預金取引の継続や、投資信託や保険等の預かり資産取引の継続が必要になります。「普通預金取引」だけでは、金融機関から「顧客」と考えてもらいにくいと認識しておきましょう。
3.定期積金を契約し、継続的に集金に来てもらう
信用金庫や信用組合には、「定期積金」という貯蓄性の預金商品があります。毎月同じ日に同じ金額を貯めていくもので、担当者が集金に来てくれます。定期積金をすると毎月担当者と顔を合わせる機会があるので、金融機関は時間をかけて実態を把握することができます。
時間はかかりますがそれだけに効果的で、法人口座開設に応じてくれる可能性が高くなるでしょう。
定期積金の契約は、普通預金口座がなくても可能です。先に定期積金を契約して信用を積み上げてから、普通預金口座の開設を依頼すればスムーズでしょう。
4.日本政策金融公庫で創業融資を申込み、可決されてから近隣の金融機関で普通預金口座を申込む
公庫が創業融資を可決した事業者なら、金融機関も「事業実態は公庫が調査済み」「反社会的勢力かどうかも公庫が確認済み」と判断できるため、口座開設を断る理由はなくなります。
公庫から創業融資の認可をもらえば、信用金庫や信用組合なら、よほどのことがない限り口座開設に応じてくれるとでしょう。
最後までお読みいただき有難うございました。
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