2026年3月16日から、「モニタリング強化型特別保証制度」の取り扱いが開始されました。この制度は、融資後も金融機関や信用保証協会と継続的に情報共有を行うことを前提とした保証制度です。従来の保証制度と比べて、金融機関が関与しやすくなる仕組みとなっており、結果として融資が進みやすくなる可能性があります。制度の特徴と、活用するうえで押さえておきたいポイントを解説します。
1.モニタリング強化型特別保証制度とはどのような制度か
この制度は、融資実行後に毎月の財務状況や資金繰り状況を把握し、金融機関および信用保証協会へ報告していくことを前提とした保証制度です。特徴的なのは、「借りた後の管理」を重視している点にあります。従来は、融資実行時の審査が中心でしたが、この制度では、融資後も継続的に経営状況を確認しながら支援していく形になります。そのため、金融機関としてもリスクを把握しやすくなり、融資判断を前に進めやすくなる傾向があります。
2.利用するための主なポイント
この制度を利用するためには、一定の条件を満たす必要がありますが、実務上重要なのは次の点です。
(1)月次で試算表や資金繰り表を作成していること、(2)金融機関および信用保証協会へ定期的に報告を行うこと、(3)認定経営革新等支援機関と連携すること。つまり、「継続的に数字を把握し、外部に共有できる体制」が前提になります。また、認定支援機関が申込金融機関と同一の場合は、プロパー融資の割合に関する条件もあるため、事前の確認が必要です。
3.この制度が活用しやすいケース
モニタリング強化型特別保証制度は、業績が厳しい状況にあるものの改善に向けた取り組みを進めている企業や、資金繰りに不安はあるものの現状を把握できている企業、さらに金融機関と継続的に関係を築いていきたいと考えている企業において活用しやすい傾向があります。単に資金を確保するためだけでなく、経営状況を見える化しながら立て直していく局面で有効な制度といえます。
4.制度活用で押さえておきたい考え方
この制度の本質は、単に保証を付けることではなく、継続的に経営状況を把握し、その内容を金融機関と共有していく仕組みにあります。そのため、制度を活用するうえでは、日々の経営数値を月次で把握できる体制が整っていることに加え、資金繰りの変化を早い段階で捉えられているかどうかが重要になります。さらに、その内容を金融機関に適切に説明できる状態になっているかも重要です。これらが備わっていれば、融資の可否だけでなく、その後の追加融資や条件見直しといった場面においても、前向きな判断につながりやすくなります。
なお、制度の詳細や適用可否については、取引のある金融機関または管轄の信用保証協会へ早めに確認しておくことをお勧めします。
融資の可否は、決算書の内容だけで決まるわけではありません。実際の現場では、金融機関の担当者が「この案件は取り組みやすい」と感じるかどうかによって、融資判断や対応が大きく変わるケースがあります。今回は、担当者が前向きに動きやすくなる会社の特徴について解説します。
1.融資は「数字だけ」で判断しているわけではない
多くの経営者は、「決算書の数字で融資が決まる」と考えています。もちろん、利益や返済可能性は重要です。
しかし実際には、それだけで判断しているわけではありません。金融機関の担当者は、複数の案件を同時に抱えています。そのため、「内容を把握しやすいか」「社内で説明しやすいか」という点も重視しています。
必要な情報が整理されており、状況説明が分かりやすい会社は、担当者も前向きに動きやすくなります。
一方で、情報不足や説明不足があると、慎重な対応になりやすくなります。
2.担当者が動きやすい会社の共通点
金融機関の担当者が動きやすい会社には共通点があります。例えば、決算書や試算表を早めに提出している会社や、売上の増減理由を説明できる会社は、金融機関としても状況を把握しやすくなります。
また、普段から情報共有ができている会社は、「何かあっても早めに相談してくれる」という安心感につながるため、融資相談の際にも前向きに対応されやすくなります。
逆に、必要な資料がなかなか出てこない会社や、状況説明が曖昧な会社は、どうしても慎重な対応になりやすくなります。
3.金融機関は「説明できる材料」を求めている
金融機関の担当者は、自分だけで融資を決めているわけではありません。社内で融資稟議書を作成し、「なぜ融資が必要なのか」「返済できる見込みはあるのか」を説明する立場にあります。
そのため、担当者が社内で説明しやすい材料が揃っているかどうかは非常に重要です。
例えば、資金が必要な理由や使い道、今後の見込みなどが整理されていると、担当者も動きやすくなります。
特に効果的なのが、事業内容や現状を簡単にまとめた資料です。難しい事業計画書である必要はありません。A4一枚程度でも、状況が整理されているだけで、担当者の対応は変わります。
4.普段の情報共有が金融機関との関係を変える
金融機関との関係は、融資を申し込む時だけで決まるものではありません。日頃から試算表を提出したり、業況を共有したりしている会社は、金融機関側も状況を把握しやすくなります。その結果、融資相談の際にも、話が前向きに進みやすくなります。
また、売上減少や利益悪化などの悪い情報ほど、早めに共有することが重要です。隠そうとすると、後から発覚した際に不信感につながります。
一方で、「現在こういう状況だが、このように対応している」と説明できれば、金融機関としても支援を検討しやすくなります。普段からの情報共有と関係づくりが、資金調達のしやすさにつながります。
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