原油価格の高騰により、燃料費や電気代、仕入価格の上昇が続いています。こうしたコスト増加は、気づかないうちに利益を圧迫し、資金繰りに影響を及ぼします。今の段階で確認しておきたい支援制度と、活用のポイントを解説します。
1.経営環境変化対応資金(日本政策金融公庫)
まず確認したいのが、日本政策金融公庫の経営環境変化対応資金です。原油価格や物価上昇の影響を受ける事業者向けの制度で、早い段階から相談できる点が特徴です。
売上が大きく落ちていない場合でも、利益の減少や資金繰りへの不安が見込まれる段階で利用を検討できます。
条件を満たせば金利の引き下げ措置を受けられる可能性もあり、早めに動くことで選択肢が広がります。
また、公庫では特別相談窓口も設置されており、制度の適用可否を個別に確認できる体制が整っています。
2.セーフティネット保証5号(信用保証協会)
次に確認したいのが、セーフティネット保証5号です。民間の金融機関から融資を受ける際に、信用保証協会が保証を付ける制度です。この制度の特徴は、売上減少だけでなく、仕入価格の上昇でも対象になる可能性がある点にあります。売上は維持しているものの、燃料費や原材料費の上昇によって利益が圧迫されている場合でも、対象となるケースがあります。特に、運送業や建設業、製造業、食品関連などは該当しやすい分野です。普段取引のある金融機関で融資を進めたい場合には、活用しやすい制度の一つといえます。
3.各自治体の制度融資
最後に確認したいのが、各自治体の制度融資です。原油価格や物価高騰への対策として、各自治体ではさまざまな融資制度が用意されています。名称は自治体ごとに異なりますが、物価高騰対策資金や経営安定資金などの形で実施されていることが多くあります。これらの制度の特徴は、利子補給や保証料補助が付くケースが多い点にあります。そのため、条件が合えば、最も有利な形で資金調達ができる可能性がある制度といえます。一方で、制度の内容や条件、募集期間は自治体ごとに異なります。まずは事業者の所在地の制度を確認することが重要です。
4.制度選びで押さえておきたい考え方
ここまで紹介した三つの制度は、それぞれ役割が異なります。経営環境変化対応資金は早い段階での相談に適しており、セーフティネット保証5号は民間金融機関での融資に活用しやすく、自治体の制度融資は条件面を有利にするために確認しておきたい制度です。同じ状況でも、早めに動いた場合と様子を見続けた場合では、数ヶ月後の資金繰りに大きな差が出ます。また、制度の中には期間限定のものや条件が変更されるものもあります。余裕がある段階で確認しておくことが重要です。
最近、金融機関の担当者に対して、「話がかみ合わない」「以前なら通じていた話を、何度も説明し直す必要がある」と感じる経営者が増えています。その結果、融資相談が進みにくくなる場面も見られます。ただし、やり取りがしづらくなっても、中小企業にとって資金が必要な状況は変わりません。重要なのは、担当者の力量に期待するのではなく、担当者の能力に左右されにくい形で融資相談を進める準備を整えることです。
1.融資相談がスムーズにいかない理由
経験の浅い担当者の場合、経営者から聞き取った情報を整理し、社内で判断に使える稟議書の形にまとめるまでに時間がかかることがあります。その結果、本部審査に必要な背景や前提が十分に伝わらず、本来は問題のない融資案件でも、話が前に進まないケースが見られます。このような場合、融資相談がスムーズにいかない原因は条件ではなく、判断しやすい形で情報が整理されていないことにあります。
2.担当者の能力に左右されにくくするための考え方
このような状況を踏まえると、融資相談を前に進めるためには、担当者の理解力に依存しない進め方を意識することが重要になります。金融機関の担当者は、経営者の代わりに事業計画書を作ったり、不足している情報を補完してくれる立場ではありません。あくまで、提示された情報をもとに判断を行う役割にあります。そのため、融資相談では「分かってもらう」ことを目的にするのではなく、そのまま社内で判断に使える材料を渡すという意識で臨むことが重要になります。
3.担当者の理解力に依存しないための具体的な進め方
融資相談では、判断に必要な情報を、最初にまとめて提示することが重要になります。そのため、次の三点を整理しておく必要があります。
① いくらの資金が必要なのか
まず、必要な金額を明確にします。「念のため多めに」「足りなくなったら追加で」といった伝え方ではなく、なぜその金額が必要なのかを含めて示すことがポイントです。
② その資金を何に使うのか
次に、資金の使い道を具体的に整理します。設備投資なのか、運転資金なのか、借換なのか。可能であれば、「いつ・どこに・どのように使われる資金なのか」が分かる形にしておくと、判断材料として伝わりやすくなります。
③ どこから返済するのか
最後に、返済の原資を明確にします。売上の増加なのか、既存事業からのキャッシュフローなのか。返済の道筋が整理されていれば、担当者は融資後の姿をイメージしやすくなります。
この三点が最初に整理されていれば、融資相談は「説明を重ねる場」ではなく、判断を前に進める場になりやすくなります。
国や地方公共団体が提供している中小企業向けの支援制度は数多く存在します。
その中には、制度としては用意されているものの、実務では使いにくいものもあれば、知っているかどうかで設備投資の選択肢が大きく変わる制度もあります。今回はその中でも、かなり使い勝手の良い「小規模企業設備貸与制度」について紹介します
1.有利な条件で設備投資ができる制度
小規模企業設備貸与制度は、都道府県などの公的機関が設備を購入し、割賦販売またはリースの形で事業者に提供する制度です。設備投資を行いたいものの、「金融機関からの借入が難しい」「リース会社を利用すると条件が厳しい」「毎月の支払負担をできるだけ抑えたい」といった悩みを抱える小規模事業者にとって、検討する価値の高い制度といえます。
2.リース料率が低く、負担を抑えやすい
この制度の大きな特徴の一つが、リース料率の低さです。たとえば、600万円の設備を5年リースで導入した場合、小規模企業設備貸与制度では、取り扱っている自治体にもよりますが、リース料率は約1.8%となり、毎月のリース料は約108,000円、5年間の支払総額は約648万円となります。
一方、一般のリース会社では、与信状況や条件にもよりますが、リース料率が2%を超えるケースも少なくありません。仮に2%で計算した場合、毎月の支払額は約12万円、5年間の支払総額は約720万円となり、総支払額には明確な差が生じます。
3.リスケジュール中の企業でも検討可能
通常、返済条件の変更を行っている企業は、新たな融資やリースの利用が難しくなることが多く、設備投資を見送らざるを得ないケースも少なくありません。しかし、この小規模企業設備貸与制度では、返済条件の変更を行っていることだけを理由に、一律で利用不可とされるわけではありません。もちろん、導入する設備の必要性や、リース料を無理なく支払える事業計画の作成は求められますが、返済条件の変更中であることのみを理由に、最初から対象外とされる制度ではありません。状況によっては、事業の立て直しや再スタートのきっかけとなる可能性もあります。
4.利用を検討する際の問い合わせ先
制度の実施主体や条件は、都道府県ごとに異なります。利用を検討する場合は、「都道府県中小企業支援センター」又は「公益財団法人 全国中小企業取引振興協会」の窓口へ問い合わせることをおすすめします。
なお、本制度は、すべての都道府県で同一条件で実施されているわけではありません。地域によっては、制度自体を実施していない場合や、条件が異なる場合もあります。利用を検討する際は、必ず事前に実施機関へ確認してください。
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▼▼【町田の税理士が教える銀行に提出する決算書のポイント】▼▼
金融機関との取引では、決算書の提出は毎年必ず行う、大切なやり取りの一つです。
決算書は数字だけで評価されるものではありません。提出の仕方や前後の対応によって、同じ内容でも受け取られ方は変わります。決算書提出時に経営者が押さえておきたいポイントを整理します。
1.提出はできるだけ早く行う
金融機関が重視しているのは、決算書の内容だけではありません。どれだけ早く提出されるかという点も、重要な判断材料になります。提出が遅れると、数字に大きな問題がなくても、経営の状況をきちんと把握できていないのではないか、という印象を与えることがあります。税務申告が終わった後は、できるだけ早く決算書を提出することで、経営状況を把握し、金融機関とのやり取りを大切にしている姿勢が伝わります。
2.決算書には解説資料をつける
決算書をそのまま担当者に渡すだけでは、金融機関は内容を一から読み取る必要があり、理解に時間がかかります。そこで有効なのが、決算書に簡単な解説資料を添えることです。売上や利益が増減した理由、今期に発生した一時的な要因など、伝えたいポイントに付箋を貼ったり、ラインマーカーで印をつけたりするだけでも、重要な点が伝わりやすくなります。すべてを詳しく説明する必要はありません。要点を示すことで、金融機関との対話もスムーズに進みます。
3.悪い数字ほど、先に説明する
赤字や利益率の低下など、気になる数字がある場合、それを隠したり、あえて触れずに済ませたりすると、金融機関はかえって不安を強めます。数字の良し悪し以上に重視されるのは、経営者が状況をどう受け止め、説明しようとしているかという姿勢です。とくに大切なのは、悪い点ほど先に説明することです。なぜその数字になったのか、今後どのように改善していくのか、それが一時的なものなのか構造的な課題なのかが整理されていれば、決算内容が厳しい場合でも、融資の話が前向きに進むことは珍しくありません。
4.決算書は、提出後の情報提供までがセット
決算書は、一度出して終わりというものではありません。金融機関が重視しているのは、決算後の状況がその後どのように推移しているかです。提出後に業況や受注状況、資金繰りに変化があった場合は、簡単でもよいので情報提供を行うことが大切です。加えて、毎月の月次事業報告を通じて売上や利益の動き、事業の進捗を共有していけば、金融機関は会社の状況を継続的に把握できます。決算書は、月次報告とあわせて活用することで、金融機関との対話を深めるための起点になります。
決算書は、提出すること自体が目的ではありません。どのように伝え、提出後にどのような情報提供を続けていくかによって、金融機関との関係や評価は大きく変わります。日頃の対応を少し見直すことが、信頼の積み重ねにつながります。
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近年、金融機関の融資姿勢は大きく変化しています。決算内容だけで判断される時代から、経営者の説明や準備状況を重視する時代へと移行しています。この変化を理解しているかどうかで、融資相談の進み方は大きく変わります。今回は、経営者が知っておくべき三つの重要な変化について解説します。
1.融資判断は「決算」より「説明力」重視へ
直近の金融機関の動きとして共通しているのは、決算書に記載された数字そのものよりも、その数字がどのような背景で生じているのかを説明できているかを重く見ている点です。
赤字や利益率の低下があっても、その原因が整理され、今後どのように改善していくのかが説明できていれば、融資の話が前向きに進むケースは少なくありません。一方で、数字自体は悪くなくても、業績の背景や将来の見通しについての説明があいまいな場合、金融機関は慎重な姿勢を取りやすくなっています。
現在は、決算の良し悪しよりも、経営の状況を自分の言葉で説明できるかが判断材料になっています。
2.資金使途と返済原資の説明は必須に
最近の融資審査では、資金の使い道と返済の道筋が明確であることが、以前にも増して重視されています。
何に使う資金なのか、その結果としてどこから返済するのかが整理されていない案件は、通りにくくなっています。とくに注意したいのは、「運転資金だから一括で借りたい」「念のため余裕を持っておきたい」といった抽象的な説明です。金融機関は、その資金が実際にどの業務に入り、どの売上やキャッシュにつながるのかを具体的に確認しています。
金額の大小ではなく、資金の流れを説明できるかどうかが、融資判断の重要なポイントになっています。
3.経営者保証への考え方は確実に変わっている
最新の融資方針として見逃せないのが、経営者保証に対する金融機関の考え方の変化です。
新規融資の段階で保証を前提としない提案がなされるケースや、既存融資について保証の見直しが検討される場面は、確実に増えています。もちろん、すべてのケースで保証が外れるわけではありません。
しかし、財務内容や資金管理の状況、情報開示の姿勢が一定水準を満たしていれば、保証に対する金融機関の見方は変わります。経営者保証は、交渉の場で突然決まるものではありません。日頃の経営管理の積み重ねによって判断されるものだという認識を持つことが重要です。
これからの融資相談では、借りられるかどうかを考える前に、どこまで説明できる準備が整っているかが結果を左右します。決算書だけに頼らず、経営の状況を整理し、言葉にしておくことが、金融機関との対話を前に進める第一歩になります。
こうした情報の整理や説明を、客観的な視点で一緒に進められる専門家を活用することで、準備の精度が高まり、融資の成功率も高まりやすくなります。
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中小企業が融資を受ける際、経営者が個人として連帯保証を求められるのが従来の常識でした。
しかし近年は、金融庁や中小企業庁の後押しもあり、保証を外しやすくする制度が整備され、金融機関の対応も進んできています。今回は、経営者保証を外すための代表的な3つのルートを整理しました。
1.日本政策金融公庫(公庫)の制度を活用する
まず押さえたいのが、日本政策金融公庫です。公庫には、一定の条件を満たすと代表者保証を求めない4つの制度があります。
●新たに事業を始める方または事業開始後2期以内の方への融資
●生活衛生改善貸付
●小規模事業者経営改善資金融資(マル経)
●経営者保証免除特例制度
既存の融資の経営者保証を外す場合は、これらの制度を使って新しい融資を受け、既存借入を借り換える形が一般的です。制度の要件を満たすことが前提となり、審査には時間がかかる場合もあります。
早めの準備と、経営計画や返済可能性を示す資料づくりが重要です。
2.信用保証協会の保証制度を活用する
信用保証協会を利用した融資の中で、経営者保証を求めない制度を活用する方法があります。
代表的な制度は次の7つです。
●創業融資制度(創業5年以内)
●事業者選択型経営者保証非提供制度
●プロパー融資借換特別保証制度
●事業承継特別保証制度
●金融機関関連型
●財務要件型
●担保充足型
信用保証協会は審査基準が比較的明確で、財務内容・法人と個人の分離・資本の充実度などを重視します。たとえば役員貸付の整理、決算書の精度向上、月次管理体制の整備など、制度の要件に合わせて準備を整えることが成功のカギです。
3.プロパー融資で金融機関と直接交渉する
信用保証協会を介さず金融機関が自らリスクを取る「プロパー融資」です。これは金融機関ごとの判断によって大きく結果が変わります。
重要なのは、担当者だけでなく本部の承認を意識した資料づくりです。
担当者が前向きでも、本部が納得しなければ保証解除は認められません。
経営計画や資金繰り表を添え、「なぜ保証なしでも問題ないのか」を数字とストーリーで説明することが必要となります。
4.ルート選びこそ成功のカギ
「日本政策金融公庫」「信用保証協会」「プロパー融資」という3つの主要ルートを理解し、自社に合った道を早めに選ぶことが保証解除成功の第一歩です。選び方を誤ると準備や交渉の方向がずれ、時間と労力を無駄にする恐れがあります。保証解除には制度知識だけでなく金融機関との交渉や資料づくりのノウハウも必要です。独力より専門家の助言を受けることで成功の可能性が大きく高まるため、初めての方は早い段階で専門家に相談されることをお勧めします。
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【さて今回は金融機関の担当者が異動した場合について】
中小企業の経営者にとって、金融機関の担当者は資金繰りや融資の相談に欠かせない存在です。しかし、金融機関では数年ごとに担当者が異動するのが一般的。せっかく築いた信頼関係が途切れてしまうと、「また一から説明し直さなければならない」「融資がスムーズに進むか不安」と感じる方も多いのではないでしょうか。今回は、担当者が異動しても安定した関係を維持できるように、経営者ができる備えを整理しました。
1.恒常的に支店内に2つ以上のパイプを持つ
金融機関との関係を担当者一人に依存していると、異動のたびに説明や信頼の築き直しが必要になります。安定した取引を続けるには、支店内に2つ以上のパイプを持つことが大切です。支店長や貸付担当役席、渉外担当役席など、複数の役職員と日ごろから接点を持ちましょう。たとえば、月次報告を支店長にも一言添えて渡す、担当者との面談時に渉外担当を紹介してもらう、決算や年末にお礼や近況を支店に伝えるといった工夫です。こうした積み重ねで支店全体に自社への理解が広がれば、「情報提供に積極的な会社」と認識され、担当が替わっても関係は途切れにくくなります。
2.新任者に自社の「事業計画書」を渡す
新任の担当者や支店長は、着任直後には企業の詳細を把握していないことが多く、とくに「重要取引先」と見なされない場合、引き継ぎ内容はごく限られます。そこで有効なのが、自社の「事業計画書」を初対面の場で渡すことです。事業内容や今後の展望を簡潔にまとめた資料を提示すれば、「この会社をもっと理解しよう」と関心を持ってもらえます。また「自分のために準備してくれた」と受け止められ、信頼関係の早期構築にもつながります。
3.金融機関に対し積極的に情報提供を行う
金融機関では「顧客の情報量と融資の可能性は比例する」と考えられています。担当者は多忙で十分に情報を集められないため、事業者から積極的に情報を届ける姿勢が信頼につながります。具体的には、「毎月の試算表や事業報告を支店に持参し、担当者だけでなく貸付担当役席や支店長にも共有する」、「会社案内や製品資料を渡して事業を説明する」、「工場や店舗を案内する」などです。さらに今後の資金需要や経営課題も伝えれば、支店内で「前向きに支援したい企業」と評価され、融資だけでなく長期的な関係強化にもつながります。
4.新任者に替わったタイミングこそ関係を深めるチャンス
担当者の交代を「関係のリセット」と受け止める経営者は少なくありませんが、実は新しい担当者と関係を築く絶好の機会です。新任者は前任者から最低限の引き継ぎしか受けていないことが多く、企業の状況を手探りで把握しようとしています。そこで経営者の側から融資履歴やこれまでの相談経緯を整理して伝えれば、安心して引き継げるだけでなく、企業への関心も高まります。さらに、支店長や貸付担当役席との面談も並行して行うことで、支店全体での理解が進み、特定の担当者に依存しない関係が築けます。交代のタイミングは、むしろ関係を整理し直し、深めるチャンスなのです。
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「社長が連帯保証をつけなければ借りられない」という従来の常識は、いま大きく変わりつつあります。
金融庁や中小企業庁の後押しで、保証を外しやすくする制度が整備され、金融機関にも説明責任が課されています。日本政策金融公庫や信用保証協会の制度を活用すれば、中小企業でも「保証なし」で融資を受けられる可能性が広がっています。
1.経営者保証を外すことをあきらめてはいけない
「うちみたいな小さい会社には関係ない」「保証を外してほしいなんて言ったら、金融機関に嫌われるのでは」。
実際には、こうした誤解や遠慮が、多くの経営者を「保証の重荷」から解放されないままにしています。
金融機関から積極的に提案されることはほとんどありません。
ですから、自ら声をあげるか、専門家に相談することが必要なのです。条件さえ整えば、中小企業でも十分に実現可能です。小さな一歩を踏み出すことが、将来への備えにつながります。
2.「外せる会社」の条件とは
保証を外せるかどうかは、会社の規模よりも「経営の健全さ」で判断されます。たとえば、会社と経営者個人のお金をきちんと分けて管理していること、毎年利益を計上し自己資本を一定程度蓄えていること、そして月次試算表や資金繰り表を作成し金融機関に定期的に報告していること。こうした姿勢が確認できれば、「保証がなくても大丈夫」と評価されやすくなります。
3.経営者保証を外すメリット
経営者保証を外すことで得られるメリットは大きく、まず自宅や個人資産を失うリスクが減り、経営に伴う精神的負担が軽くなります。
さらに、事業承継がスムーズに進めやすくなり、次の世代への引き継ぎも安心して行えるようになります。
加えて、新しい融資の可能性が広がることで、成長のための資金調達に柔軟性が生まれます。
保証解除を実現した企業は、金融機関との関係もより健全で対等なものとなり、経営判断の自由度も高まります。将来に向けた挑戦を後押しする大きな力になるのです。
4.中小企業でも可能な保証解除の進め方
保証解除を実現するには、制度の知識だけでなく、金融機関との信頼関係を築くことが欠かせません。
資料を先回りして提出する、経営の見通しや課題を率直に伝える、継続的に報告を重ねる。
こうした積み重ねが「保証を外しても大丈夫だ」という評価につながります。
保証解除は大企業だけの特別な話ではありません。条件を整えれば、年商数億円規模の会社でも十分に可能です。
まずは自社が対象になり得るかを確認し、経営者保証解除に詳しい専門家に相談することをお勧めします。
専門家なら制度や交渉のポイントを熟知しており、自社に合った進め方を具体的に示してくれます。その支援があれば、実現の可能性は大きく高まります。
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中小企業経営者から、「金融機関に融資を申し込んだが、資金使途が曖昧だと判断され、否決された」という相談がよく寄せられます。とくに、設備投資や運転資金といった名目はあるものの、「それが本当に必要か」「なぜ今なのか」「いくら必要か」などの説明が曖昧なままだと、金融機関は融資に踏み切れません。今回は、資金使途不明を理由に融資が否決される背景と、通るために必要な「説明のコツ」、再申請に向けた実務ステップをお伝えします。
1.なぜ「資金使途」が重要なのか?
金融機関が融資審査の初期段階で重視するのが、「何のためにお金を借りるのか」という資金使途です。この目的があいまいだったり、実態に即していないと、「返済原資が見えにくい」「計画性がない」と判断されてしまいます。たとえば、「借入金の返済に充てたい」という使い方は、本来の融資目的に反しており、特に警戒される要因となります。
2.「資金使途が不明確」と判断されやすいケース
「とりあえず余裕資金がほしい」といった漠然とした申請をはじめ、設備投資と運転資金の区分があいまいな場合や、申請金額に対する具体的な根拠が示されていない場合などは、資金使途が不明確と判断されやすくなります。また、「広告宣伝費に充てたい」といった抽象的な表現だけでは、実際の使い道や期待される効果が見えづらく、審査を通過するのは困難です。さらに、過去にも同様の目的で融資を受けているにもかかわらず、その際の成果や改善点について何ら説明がない場合も、金融機関側は慎重な姿勢を取らざるを得ません。
3.資金使途を明確に伝えるには?
融資を受けるには、資金使途を具体的に説明することが欠かせません。まずは、見積書や契約書、資金繰り表などを用いて、申請金額の根拠を明示しましょう。さらに、その支出が業績や利益の向上につながることを、具体例とともに伝えることが重要です。たとえば、設備導入による生産効率の改善や、広告による売上増加などが挙げられます。加えて、「いつ使い、いつ返すか」といった資金のスケジュールや、過去の実績と効果を補足することで、金融機関の信頼を得やすくなります。とくに事業計画書には、支出が将来の利益にどう結びつくかを数値で示すことが有効です。
4.いったん否決された後、再申請は可能か?
資金使途の説明不足で融資が否決された場合でも、内容を見直し、資料を補強すれば再申請による逆転は可能です。まずは、金融機関に否決の理由を直接確認し、不足点を明確に把握しましょう。そのうえで、見積書や改善後の事業計画などを整え、再申請の準備を進めます。このとき、融資支援に詳しい士業やコンサルタントのサポートを受けることが重要です。専門家の視点が加わることで、審査に通るための伝え方や資料の精度が格段に向上します。再申請は、状況や資料が整った段階で、1〜3か月程度の間隔を空けて行うのが効果的です。信頼される申請のためには、専門家と連携して戦略的に進めることが欠かせません。
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夏期に入り、売上の落ち込みや固定費の負担が重くのしかかるこの時期。経営者からは「何か使える支援策はないか」「どれを申請すればよいのかわからない」という声が多く寄せられます。今回は、今あらためて確認しておきたい3つの給付金・補助金について、対象・金額・活用時のポイントを整理しました。
1.小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>
この補助金は、小規模事業者が販路拡大や業務効率化に取り組む際、その経費の一部を国が補助してくれる制度です。
対象となるのは、たとえばチラシやパンフレットの作成、ホームページの新規立ち上げ・リニューアル、展示会への出展費用、業務改善のためのソフト導入や研修費など。通常枠では最大50万円まで補助され、補助率はかかった経費の3分の2となっています。
さらに、「インボイス制度への対応」や「従業員の賃上げ」などに取り組む場合は、特例が適用され、補助上限額が最大250万円まで引き上げられます(条件あり)。第18回の申請受付は2025年10月3日からスタートし、締切は同年11月28日(金)の17時です。
申請はオンラインのみで、商工会・商工会議所による事業支援計画書(様式4)の発行など、事前準備が必要です。関心がある方は、できるだけ早めに動き出すのがおすすめです。
2.地域企業経営人材確保支援事業給付金
地域企業経営人材確保支援事業給付金は、大企業などで活躍していた経営人材を、中小企業や地域企業が「転籍」「兼業・副業」「出向」といった形で受け入れると、最大で1人あたり450万円(転籍の場合)、兼業・副業や出向でも各200万円がもらえる制度です。
1社につき最大10人分まで支給されます。給付される金額は、その人の給与などの30%で、採用後の待遇改善や制度づくりの費用に使えます。申請は令和8年(2026年)2月14日まで受け付け中です。
「経営に強い人を迎えたい」「でもコストが心配・・・」という企業にとって、力強いサポートになる
制度です。まずはREVICareer(レビキャリ~株式会社地域経済活性化支援機構)
のプラットフォームを通じて相談してみるのがおすすめです。
3.中小企業省力化投資補助金(一般型)
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足の解消や業務の効率化を目的に、IoT機器やロボット、業務システムなどを導入する中小企業を支援する制度です。
たとえば、自動化できる機械を導入したり、作業を効率化するシステムを入れたりする費用に対して、国が補助してくれます。
補助額は、会社の規模によって最大500万円〜1億円まで。小規模事業者なら費用の2/3まで補助、中規模事業者は基本的に1/2(条件を満たせば2/3)です。さらに「賃上げ」を行うと、補助額が上乗せされる仕組みもあります。第3回の申請受付は、2025年8月上旬にスタート予定で、締切は8月下旬頃の見込みです。設備投資で人手不足を解消したい企業にとって、非常に心強い補助金です。
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